「WordPressの記事にコメントが来れば記事を書くモチベーションが保てるなあ、いっそAIが書いてくれたら最高なのに…」
そんなアイデアをもらい、Googleの対話型AIであるGemini、特にそのコマンドラインツールであるGemini CLIを使って、WordPressプラグインを開発してみることにしました。
この記事では、その開発プロセスと、まるでAIとペアプログラミングしているかのような驚きの体験をご紹介します。
そしてこちらの記事もGemini CLIに手伝ってもらっています。
今回作ったもの
OpenAIのAPIを利用して、WordPressの投稿編集画面からボタン一つでAIにコメントを生成・投稿させるプラグインです。
完成したプラグインは、こちらのGitHubリポジトリで公開しています。 https://github.com/gitchx/aicommenter
Gemini CLIとは?
Gemini CLIは、ターミナル上でGeminiと対話しながら、ファイル操作やコマンド実行などを通じて開発を進められるツールです。
「〇〇というファイルを作って」 「このコードの××を△△に書き換えて」
「git commitしてpushしといて」
といった自然言語での指示を、Geminiが解釈して実行してくれます。まるで、隣に座っている優秀なアシスタントプログラマーのようです。
開発プロセスを全公開!
ここからは、実際のGeminiとのやり取りを追いながら、開発の過程を見ていきましょう。
1. 「こんなプラグインが欲しい!」と伝える
まず、私の頭の中にあるアイデアをそのままGeminiに伝えました。
私: WordPressプラグインでOpenAI APIを使って記事に自動でコメントを追加したいです
すると、Geminiはすぐに開発の要件を明確にするための質問を返してくれました。
Gemini:
承知いたしました。…まず、いくつか質問させてください。
- OpenAI APIキーはお持ちですか?
- コメント追加のタイミングはいつにしますか?(記事公開時、手動など)
- コメントの内容はどのように生成しますか?
この時点で、すでに優秀な開発者と話しているような感覚です。私は「まずはボタンで手動実行したい」と回答しました。
2. プラグインの土台作り
要件が固まると、Geminiは具体的なコードを提示しながら、プラグインの骨格を組み立て始めました。
Gemini:
承知いたしました。では、…「AIコメント生成」ボタンを設置して、手動でコメントを追加できるようにしましょう。まずはプラグインの土台となるファイルを作成します。
この後、Geminiはwrite_fileツールを使い、APIキーを保存するための設定画面を持つ基本的なプラグインファイル(aicommenter.php)を自動で生成しました。
3. 機能の実装(ボタン、JS、API連携)
土台ができたら、次は機能の実装です。Geminiは一つ一つのステップを確認しながら、必要なコードを追加・修正していきました。
- メタボックスの追加:
投稿画面にボタンを置くための枠組みを追加。 - JavaScriptファイルの作成:
ボタンが押された時の非同期通信(AJAX)を処理するaicommenter.jsを作成。 - PHPのAJAX処理:
JavaScriptからのリクエストを受け取り、OpenAIのAPIを呼び出して、最終的にコメントを投稿するバックエンド処理を実装。
この間、私はほとんどコードを書いていません。Geminiが生成したコードを確認し、「それでいいよ」と承認するだけです。replaceツールを使って既存のファイルに必要なコードを追記していく様子は、まさにAIがエディタでコードを編集しているかのようでした。
4. GitHubリポジトリの作成とプッシュ
プラグインが完成したので、ソースコードをGitHubで管理するように依頼しました。
私: githubにaicommenterというリポジトリを作ってpushしてください
すると、Geminiはrun_shell_commandツールを駆使して、以下のコマンドを順番に実行しました。
git init.gitignoreファイルの作成git add .git commit -m "Initial commit"gh repo create aicommenter --public --source=. --push
驚くほどスムーズに、ローカルのコードがGitHub上の新しいパブリックリポジトリにプッシュされました。
AIとのペアプログラミング体験で感じたこと
今回の開発体験は、従来の「ググって、コピペして、修正して、デバッグして…」というプロセスとは全く異なるものでした。
- 圧倒的なスピード:
アイデアを伝えてから、動くプラグインがGitHubに上がるまで、かかった時間はほんの数分でした。 - 思考の集中:
面倒なファイル作成や定型コードの記述から解放され、私は「何を作るか」「どう動かすか」という本質的な部分に集中できました。 - ストレスフリー:
タイプミスや、どのファイルを編集すべきかといった細かいことで悩む必要がありません。対話形式で進むため、エラーが起きてもすぐにGeminiに相談できます。
まとめ
Gemini CLIは、単なるコード生成ツールではなく、開発の全工程をサポートしてくれる「対話型のアシスタント」でした。アイデアを形にするまでの時間と手間を劇的に削減してくれる、まさにゲームチェンジャーと言えるでしょう。
皆さんも、何か作りたいもののアイデアがあれば、ぜひGemini CLIとのペアプログラミングを試してみてはいかがでしょうか。きっと、未来の開発スタイルを垣間見ることができるはずです。

コメント
この記事を読んで、Gemini CLIを使ったWordPressプラグインの開発方法に興味を持ちました。GeminiというAIとのペアプログラミングの体験は、従来の開発プロセスとは全く異なるスピーディーでストレスフリーなものだったようですね。特に、自然言語で指示を出すことで効率的にコード生成や実装が進む点が素晴らしいと感じました。Gemini CLIが開発工程全体をサポートしてくれるというのは、本当に画期的であり、将来的には開発のあり方を変える可能性があると思います。私も機会があればGemini CLIを試してみたいと思います。記事の詳細な内容やGemini CLIの活用方法について、非常に興味深く読ませていただきました。ありがとうございます。
この記事の下書きををGeminiに作ってもらった後に、プロンプトを調整したり、プロンプトをWordPressの管理画面から編集できるようにしたりしてみました。
note.com でも記事を書いており、モバイルからの編集のしやすさなどからあえてWordPressで記事を書く必要があるのかと、wavbits.comを作る前も作ってからも思っていましたが、自分でプラグインを作ってAIからコメントをもらってこうして返信しているところまでは想像できていませんでした。
OpenAI APIに5ドル払いましたが、いくつかコメントを生成してもまだまだ追加課金なしで使えそうな感じで、2025年9月現在だとGPT3.5-Turboであれば思ったよりもクレジット消費されないようです。